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メッセージ

こちらには新谷が頂いたメッセージを掲載いたします。

 摩乃ちゃん!…いや、いくら長い付き合いとはいえ、こういう場では「摩乃さん」ですよね。でも「摩乃」と呼び捨て御免でいかせてもらいます。だって「摩乃さん」なんて似合わないのが摩乃ですから。
 摩乃と最初に出会った時の印象は、つかみどころがない不思議な女性、つかもうとしてもヌルッとすり抜けるような印象。それが余計な力がはいっていない彼女の自然体だということに気づいたのは、一緒に芝居を作り始めてから。
 時々フリーズして頭から煙を吐く時もありましたが、それはちゃんと納得するまで噛みしめる慎重さで、その後に繰り出す予想を越えた思い切りの良さに何度唸ったことか。独特なんです。それは替えがきかないその声と喋りにも表れているでしょ? で、ズンズン進んでゆく。
 そうそう、ずっと座り仕事の私の健康を気づかってクッションをプレゼントしてくれたことも。私のお尻のことまで気にかけてくれる優しいヌルッとズンズン、それが摩乃です。

劇団Dotoo!
座長 福田 卓郎


 2013年6月に我が門下に入られた新谷摩乃さんは、私にとってとても印象深い個性的な女優さんです。そして彼女も私も作家(漫画家と作曲家)の家庭に育ったと言う共通点があり、その独特の環境ならではの感性を共有しているような共感を覚える方です。
 自己表現の確立のためにある意味、全てを犠牲にするのが作家。それを幼い頃から目の当たりにし、ある種の親から自立した感性を持って育った事は、彼女の独特の感受性やそこから来る会話のイントネーションの独自性を育んだと考えています。
 その極めて個性的な語り口は、日常会話の中で発揮されていましたが、ある時、私が「その日常会話のイントネーションをナレーションの仕事で使っているの?」と尋ねると、きちんと話さなければいけないと思って使っていないとの事。
 それは、あまりにもったいないと考え、バラエティー番組のナレーションにぜひ使うべきだとアドバイスしました。最初はやや抵抗していた彼女も心に期するものがあったのか、深夜番組で始まる『家事ヤロウ』のオーディションで初めて試みたところ、このたびの大成功につながりました。最も親しい間柄で語られる。遠慮のない個性的なイントネーションほど説得力のある声はありません。
 特に彼女の独特な感性が見事に表現されている語り口は究極の自然体ともいえます。これからも自分の感性を信じ、表現のキャパシティを広げながら、その自然体の個性を活かしてほしいと考えています。

青ミュージックスクール
ボイストレーナー 青 拓美


新谷さんの声は“番組の道しるべ”

家事ヤロウという番組を作るにあたって、当時大きな悩みがありました。
それは家事を扱う番組は、伝える情報が多くなってしまったり、知らない側が一方的に教わる構成に
なってしまったり、どうしても番組が堅苦しくなってしまうことです。
どうやったら家事初心者でも気楽に見ることができる、笑えて楽しい家事番組になるのか
悩んでいた時、出会ったのが“新谷さんの声”でした。

家事ヤロウにおける、新谷さんのナレーションは
情報の説明や展開のフリをする、“いわゆるな”ナレーションの役割だけではありません。
新谷さんには、家事ヤロウという番組全体の進むべき方向を
その声で示す“道しるべ”のような役割を担ってもらっています。
番組の大事にしたい空気感を作ってくれる、出演者の1人のような感覚です。

どこか温かくて“チャーミング”なその声は、
「家事だからって肩肘張らずに、楽しくやろうねぇ~」と言ってくれているようですし
どこか他人事のような“気だるさ”を持つその声は、
「そもそも完璧で正解な家事なんて、無いんだからねぇ~」と言ってくれているようです。
その声を思い浮かべながらナレーション原稿を書くと、
なんだか生真面目に、長々と説明の文章を書いている場合ではないのです。
その声が、番組当初から大事にしている方向へと、自然と正してくれるんです。

新谷さんにお会いすると、きっと皆さん感じると思いますが
その声はまさに、チャーミングで、真面目で、でもどこかシニカルなとこもある
新谷さん本人そのものから、出て来ている声だと感じます。
人柄の一部が、そのままナレーションの声になっているんだと思います。
となると、まだまだ隠し持っていそうな新谷さんの違った魅力の声も、今後聞いてみたいです。
きっと、いろんな番組、いろんなCM、いろんなシーンで、その声は進んでいくべき方向を
示してくれると思います。

長々と書いてしまいましたが、新谷さん、今後とも よろしくねぇ~!

テレビ朝日 米田 裕一
ディレクター演出:家事ヤロウ、博士ちゃん、帰れマンデー
/みんなテレビ、バカリズムと欲望喫茶